ドッホ断る

芸術とか音楽とか言いながら生活の苦悩も語るデザイナーの雑感

続・岸田繁の「交響曲第一番」でハイレゾデビューしたい

先日、ちょっと良いイヤホン買ったらメガネを掛けたように聴覚がクリアになったような感じがして、

www.doch-kotowaru.com

 持っている曲を聴いて聴いて聴きまくっています。

 

ずっと音楽を聴いていたい。

 

と思うなんて高校の頃MP3プレイヤーの「Rio」を買った時以来のことなので、自分でもちょっと驚いています。

当時は32MBとかの容量にいかにお気に入りを入れて持ち歩くかという別ベクトルの選曲作業がありましたがそれはそれで楽しい作業でした。

 

今は容量を気にすること無く高音質を持ち運べる。良い時代になったものです。

 

手持ちのCDをあらかたロスレスでリッピングし直し、出先で聴き浸る。

とくれば自然と次の段階への欲求があります。そう、ハイレゾってどれほどのもんなのか。

 

クラシックをハイレゾで聴きたいんです。

そもそもハイレゾに興味を持ったのが表題にも有る岸田繁さんの「交響曲第一番」でした。

ご存じない方は「くるり」というバンドなら聞いたことがあるかもしれません。

くるりのフロントマンが岸田繁さんです。

 

「くるり」はロックバンドを自称しているとおりロックンロールなバンドなのですが、抒情詩的であるというか心象風景的といいますか、端的にいうと

根暗な僕にはとってもマッチング

な詩を紡ぐ独特の世界観がありまして、

なんだかもう一度聴きたくなるような、日常の中にBGMとして溶け込んでるような、ロックバンドなのにエクリュというかペールというかサンドという感じの淡い色合いを持っていると感じております。

 

ですが、そんな固定観念をぶっ壊してくれるほどアルバムごとに違った音色を聴かせてくれて毎回毎回どんどんその世界を構築し、壊し、ですが後退せず進んでいる、稀有なバンドでもあります。

 

その音楽の緻密さは毎度密度を増し、前作の「THE PIER」ではスラブ系の民族音楽とも融合し、

 

聞いたことのない次元へとまた進んだ。。もたもたしてると置いてかれちゃう。

 

と感じさせてくれる一品でした。

THE PIER (初回限定盤)

THE PIER (初回限定盤)

 

 

そんなくるり岸田さんの交響曲ときたら聴き逃せません。

 

というか今更ながら最近「のだめカンタービレ」を全巻読破した僕は

のだめカンタービレ全25巻 完結セット (講談社コミックスキス)

クラシックに俄然興味深々で、タイムリーにくるりのクラシックと来たら渡りに船、棚からぼたもち、な気分でした。

 

としたらクラシックはやっぱりいい音で聞きたい。

 

「結婚できない男」みたいにソファーでくつろぎながら指揮者ゴッコしたい!

 

 

ということで一度は諦めましたが、やっぱりこの作品だけはハイレゾ(=現時点での作者の最高提供物)で聴きたいと思い購入を決意したのでした。

 

ハイレゾ音源をどこで買うか問題。

 ハイレゾは馬鹿げた営業売り文句に過ぎない。

なんてことをよく目にします。

 

たしかに可聴音域外の周波数なんて聞き取れないじゃん。と自分でも思いますけど、こちらのサイトで聴きくらべたら「やっぱりちがうよね!」となったのでそちらの論争は別の機会に譲りたいと思います。

 

懐疑的な方は世間の論調は話半分で聞いておいて、ご自分の耳で確認されるのがよろしいかと思います。聴くのは自分の耳ですから。

 

となるとどこでハイレゾ音源を手に入れるかですが、現在は下記のサイトが主な入手さきとなっているようです。

 

e-onkyo music (onkyo系)

www.e-onkyo.com

mora (sony系)

音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~

 

 

ここで注意しておきたいことが、

 

自分の欲しい曲のフォーマットが販売されているか?(自分の環境で再生できるか)

ということです。

 

現状、ハイレゾとして配信されているフォーマットは、

 

FLAC:情報損失の無い可逆圧縮

ALAC:情報損失の無い可逆圧縮(アップル社ライセンス)

DSD:よりアナログに近い表現が可能(対応機器:少)

WAV:無圧縮(容量:大)、カバーアートや曲名の記録できず

 

の4つのうちのほぼどれかです。

 

もしダウンロードする際にファイルフォーマットの選択に迷った場合、まずお使いのハイレゾ再生機器がFLACに対応しているか確認し、問題無ければFLACを選んでおくのが無難です。iPhone・Macでもアプリを使うことでFLACを再生可能です。対応機器が多いので今後の資産としても長期活用が見込めます。

ちなみにmoraではほぼFLACしか取扱がありません。

 

今回はiPhoneで聴くことをふまえてe-onkyo musicで「flac 192kHz/24bit」を選択し、購入してみます。

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購入は楽天ポイントも使えるし貯まるので、ポイントをお持ちの方は「楽天ペイ」で決済がお得です。

 

ポチッと決済すると音源のダウンロードが可能になります。

 

が、WEB上だと一曲ずつしかダウンロードできません。

 

一括ダウンロードできる専用アプリもダウンロードしておきましょう。

 

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e-onkyo ダウンローダー 

 

アプリを開いて認証すると購入した曲が一覧で見れて一括ダウンロードが可能です。

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WEB上で完結しないのはちょっと面倒ですね。。

 

ちなみにパソコンがない場合、iPhone, iPad等のiOS機器では本体に直接ダウンロードできません。

サードパーティー製のアプリを別途購入し、ダウンロードしたものを転送してください。

おすすめはNePLAYERです。ハイレゾ音源情報が、ひと目で分かる「ハイレゾビジュアライザー」(特許出願中)を搭載したプレーヤーアプリで、標準のミュージックアプリよりイコライザなどの機能が充実しています。もちろんハイレゾ音源が再生可能です。

ハイレゾ再生対応 音楽プレイヤーアプリ[NePLAYER]

ハイレゾ再生対応 音楽プレイヤーアプリ[NePLAYER]

  • radius co., ltd.
  • ミュージック
  • ¥1,800

ちょっと高いですが、iPhoneでハイレゾ再生するにはこの手のアプリが必須です。

今後標準で再生可能になればいいのですが、現状は上記のようなハイレゾ再生アプリが必要です。買うには躊躇する値段ですが、多機能で買って損はありませんでしたおすすめです。

AndroidならONKYO HF Player等からダウンローダー機能が使用できるそうです。

 

ハイレゾ音源はやっぱりデカイ

今回はアルバム1枚分で2.8GB。ダウンロード時間はちょうど20分位かかりました。

そして

容量思った以上に食いますね。

 

これは今後iPhoneのストレージをガシガシ圧迫しそうな予感です。。

アルバム10枚分で約30GBになる計算ですからね。

可逆圧縮方式のFLACでこれですから結構なサイズ感です。

 

音質とのトレードオフですが、今後別の曲を購入するとき結構悩みそうです。

なんだかRio時代に戻った感覚です。

 

 実際ハイレゾ聞いてみて

ということでようやく初ハイレゾを購入することができました。

ドキドキして再生してみます。

 

・・・

 

 

・・・

 

 

・・・・・

 

・・・・・

 

 

 

すごくいい!

 

 

もうプラシーボと言われても、ポタアン繋いでないから本領発揮してないじゃんとか言われてもいいです。

 

楽器の位置がわかる!低音がズーンと深く、高音も伸びやか!

なにより「交響曲第一番」素晴らしいです!

 

「Quruliの主題による狂詩曲」から始まり、既聴感のあるくるりのメロディーが聴衆の緊張を解くように、和やかに奏でられていきます。

いままでくるりのメロディーを追うように、重ねるように織りなしていき、岸田繁氏の足跡をたどるように、ふくよかなオーケストラのサウンドでプレビューされていきます。

 

そして第二部の「交響曲第一番」へ。

 

50分間の思考の旅。あっという間に過ぎていきます。

 

まわりの世界が、おぼろげにぼやけるに

まかせたらいい。

 

ただ身を任せて音の世界に身を委ねる。

至高の50分です。

 

 

本当にこの作品でハイレゾデビューできて良かったです。

 

こういう出会いがあるから音楽聴くのをやめられないんですよね。

 

最後に

 

いい音で音楽が聴きたい!という気持ちでハイレゾデビューまでしてしまいましたが、

 

新たな音楽の楽しみを覚えてしまったな、

 

という気持ちと

 

こうやって作品をより良く提供してくれるアーティスト・レーベルの方にしっかり還元しないとなという感謝の気持ちが湧いてきました。

 

音楽不況の現在。定量的にミキシングされて平均的なコンテンツが増えました。

 

そんな中、こうやって新たに取り組んで今まで以上に高品質な音源を提供してくれるアーティストもいる。

 

ハイレゾ音源という、CDよりちょっと敷居の高い音源と向き合うことで自分の気に入った音源をお金を出して手にし、聴く。という行為に立ち返る良いきっかけになるような気がします。

 

YouTubeばっかり聞いていないで、音楽の楽しみをもっと広げてみてはいかがでしょうか?