ドッホ断る

芸術とか音楽とか言いながら生活の苦悩も語るデザイナーの雑感

ブラック企業から退職したら背中に羽が生えた話 ーデザイナーの転職について

人生いろいろ、職業色々。

 

みなさんは今の会社に満足しているでしょうか?

 

 

 厚生省の統計によると大卒3年間の離職率は30%を超えているそうです。

(平成29年6月1日放送 NHKクローズアップ現代+より)

 

大学卒業して3年以内に会社をやめている人が全体の約3割って結構な割合じゃないでしょうか。

 

自分もその一人です。

 

 

”新卒で入った会社なら最低3年は勤めろ”

 

なんて就職ガイダンスなどで聞いたことがある人も多いはずです。でも実際は3年以内に辞める人なんて珍しくもなんともないんですね。

 

リーマン・ショック後の就職難時代に卒業し、当時は買い手市場と言われていましたが現在は有効就職倍率が1.48倍とバブル期を超えた高水準となっています。

(平成29年6月1日現在)

 

そう、現在は超「売り手市場」

 

今の会社で消耗している方、転職するなら今チャンスです。

 

人生を変えたいなら動きましょう。

 

転職か、独立か、今後の人生をイメージする。

 

デザイナーに限らず、”手に職”がある人は今の会社に満足していない場合

 

  1. 他の会社に転職するか
  2. 独立起業するか

 

2つの選択肢を模索するのではないでしょうか。

 

僕の場合、いつか独立したいなあと思っていましたが当時はまだまだハナタレのひよっこ。野垂れ死ぬのが目に見えていましたのでひとまず同業他社に転職することを選びました。

今回はデザイナーの「転職」について語りたります、ですので独立起業については別に機会に譲りたいと思います。

 

 

この「この先の人生をどうするか」というのをしっかりと考えていくのが重要です。漠然とじゃダメです。

 

転職は大きな決断です。人間は良くも悪くも今のレールに乗っているわけですが、転職はそのレールを変えるという大事業です。走っている列車を強引に別のレールに乗り換えるわけですからかなり大きな力が必要になるでしょう。

 

例えば徹夜続きの中転職先を探したり、ポートフォリオを作ったり、履歴書を丁寧に書いたり、忙しい合間を縫って面接に行かなければなりません。

 

そんな時絶対こう思うときが来ると思います。

「面倒だからこのままでいいや」と。

 

楽な方に流れるのは本質ですから仕方のないことです。でも人生変えたければ動くしかありません。

だから「自分の将来を思い描くこと」がとても重要になります。しっかりイメージしましょう。目標ができると人間強いです。その強い力が無いと人生を好転させるレールに引っ張って行くのが難しいのです。これは僕の経験談です。

 

 

ここまでのまとめ

自分が何になりたいか、今一度考える。

 しっかりと考える。

 

 

転職サイトを覗いてみよう。

転職サイトに登録してみましょう。最大手のマイナビクリエイター でもなんでもいいです。

今どんな会社が求人しているのか確認してみます。

勤務体系、業務、自宅からの距離と自宅の基準で絞り込んでみてください。

 

多くの会社があり驚くでしょう。その中に自分の希望する会社はあるでしょうか。

 

あればそのページから応募すればいいです。

 

なければさらに探しましょう。

 

自分の好きな製品、グラフィック、WEBページを作っている会社に直接連絡して見てください。当たって砕けろです。その気持ちは絶対必要です。

 

なりたい自分をイメージして出来れば数社リストアップしましょう。

でも、応募するのはまだちょっと待ってください。

 

 

クリエイターは一にも二にもポートフォリオ

 

応募する前に気にしなければいけない事は履歴書でも着ていくスーツでもなくポートフォリオです。これは断言できます。

 

応募要項に必須と書いてなくても持って行ってください。絶対役に立ちます。

面接でうまくいかなくても最後に見せるポートフォリオの出来次第で逆転可能な飛び道具です。しっかりと作りましょう。

応募条件に必須なところならば尚更です。

 

ポートフォリオの作り方

 

ポートフォリオはいわば個人の作品集なのでそれぞれのやり方で結構ですが、見やすいだけで好印象なので、アーティスティックなものより事務的な感じでも問題ないです。

 ポートフォリオの作り方はこちらが詳しいです。

 

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自分の感覚だとポートフォリオを提出しても返ってくるのは7割位です。

複数提出先があると結構大変ですよね。。↑の本に載っているものはかなり凝っているのでそれなりに制作費もかかるでしょう。

 

応募する業界にもよるでしょうが、ここまで作り込まなくてもいいと思います。

「作品集」ではなく「今までの仕事をまとめたバインダー」ライクなものの方がデザイナーの場合採用率が高い気がします。

 

「魅せる」より「見せる(可読性が高い)」を重視しましょう。

 

 

作ったからには絶対見せる。

 

アポを取り付けていよいよ面接までこぎつけたとします。

小さなデザイン事務所など人事部が設置されていないような小さな会社に行くことも有るでしょう。

その場合、面接官も場数を踏んでいない方がほとんどです。ネットで出てくるようなテンプレの質問で終始して会話がまごつくことも多いです。自分も会話は苦手です。だからクリエイターになったんですから。

 

そんな時のためのポートフォリオですので、面接うまく行かなくて

 

「お疲れ様でした、以上で・・・」

 

 

なんて言われたとしても最後に、

 

「ポートフォリオ持ってきたので見ていただけますか?」

 

 の一言は必ず言いましょう。

 

これで、険しかった面接官の顔がみるみる明るくなっていくのを何度も経験しています。

経験上見せなくてよかったなんてことは一度もありません。

 

自分で語れない分ポートフォリオには饒舌に語ってもらいましょう。

 

 

クリエイターといえど転職すると言うことは誰かの会社に入るということです。

 

その会社にはどういう人材が求められていて、どのような人が働いているのか

 

という就職前にもっとも知りたいことは、残念ながら入ってみるまでわからないです。

 

面接してみてもし仮に落ちてしまったとしても、それは会社側がミスマッチだと判断したということですから、気にせず別の会社に再挑戦しましょう。

その都度ポートフォリオをブラッシュアップするのもいいかもしれません。

 

 

個人的な面接必勝法は

「自分を採用しないなんてこの会社は損だな」

という心構えで挑むことです。

 

あくまで心構えですが、これは採用試験にかかわらず結構有用な方法です。心に余裕が出来ますし、戦う前に負けてはいけません。

 

あと、「最後に何か質問はありますか?」と聞かれたら必ず質問しましょう。

この時「入社後の自分」を面接官に連想させるものが効果的です。

 

例えば

「自転車通勤はできますか?」とか「入社の前に何かやっておくことはありますか?」とか、自分はこの会社で働くつもりが有るという意思を好意的にうけとってもらいやすいので、最後の質問はその会社の一員になっている入社後の自分をイメージさせるものをすると良いです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、まとめると

 

・クリエイターなら一にも二にもポートフォリオ

・面接落ちても気にせず再トライ

 

です。

手塩を掛けて作ったポートフォリオなら相手にも必ず伝わります。

そして、その気持ちを受け取ってくれる会社に入りましょう。

 

 

 

最後に自分の話を。

あまり自分語りは得意ではないですが、僕の場合は新卒で入った会社が超ブラックでした。

新卒で入って5日目に社長と二人でMacとにらみ合いながら会社で朝を迎えたときはやばいところに来てしまったと思ったものです。中途じゃなくて新卒ですからね。

 

自分がその会社をやめたのは1年ぐらい後ですが、その間に中途採用が4人入って4人とも数日でバックレてました。これは自分の会社の労働環境を測る良い指標になると思います。中に入っていては案外気が付かないものです。新卒ならなおさら。

 

自分は辞める前に転職活動をし、採用通知が来た後に正式に退職願を提出して退職しましたが、辞めるときは

 

先輩 → 上司 → 仲の良かった他部署の部長 → 社長

 

と外堀を埋めるように辞職の意向を話して徐々に退路を絶っていきました。何が何でも辞めてやるという覚悟が揺らがないようにです。

実際社長には3時間近く軟禁されて恫喝されました。

「お前を採用するのにいくらかかってると思ってるんだ」

「人の稼いだ金で勉強させてやったのにそれすらも稼ぐ前に辞めるのか給料泥棒。」

などよく聞く話を本当にされたのでちょっと驚きました。

 

実際耳の痛い話ではあります。

たしかに会社にとっては丸々大損でしょう。

しかしそれは会社側の育成能力の無さを棚に上げているだけに過ぎません。

身体を壊すような仕事しかさせられないのでしたらそれは管理能力の欠如です。そのような意見には絶対Noを突きつけましょう。

そして強く引き止められても辞める意志を貫けるよう辞める前に次の職場は絶対確保しておきましょう。

 

実際も辞める日まで残業していましたが、会社出た後は本当に羽が生えたように軽く、終電も行ってしまった後でしたがルンルン気分で歩いて帰った記憶があります。

ストレスで人間の体は本当に動かなくなるんだと実感した瞬間でもありました。

 

 

この業界は夜型の人が多く、残業も軽視されがちです。時間を掛ける仕事は無限にあり、キリがありません。労働条件もあまり良くはないでしょう。

 

「ただ、良いものを作りたい」

 

という若者の情熱を搾取して成り立っている会社も多いと思います。

 

しかしこれだけは言えます。

 

クリエイターの春は短いです。

 

悔いのない人生を歩んでください。