岸田繁の「交響曲第一番」でハイレゾデビューしたい
今週のお題「私の沼」
さあ、くつろいで、そうして精神を集中して。
先週の5月24日にくるり岸田繁氏による初のオーケストラ描き下ろし曲「交響曲第一番」が発売されました。
私自身、くるりは「さよならストレンジャー」からのオールドファンと自負しておりますが、最近は音楽関係のアンテナが低く今作を知ったのも発売後という体たらくであります。無念。
しかしてこのあおりV
岸田繁「交響曲第一番」初演 / 岸田繁・京都市交響楽団・広上淳一(指揮) [Trailer]
を見て完全に心掴まれた私は昼休みを待たずに近所のTSUTAYAに駆け込んだのでした。
が、CD売ってない。ってか新譜なんかほとんど置いてないじゃないですか。
市場の盛衰が売り場面積に映し出される儚さを噛み締め会社に戻った私は
ネットの大海原、岸田繁の情報を求めんと検索窓に打ち込んだのでした。
「きしだしげる おーけすとら」
そしたらなんと有るではないですか。この音源のハイレゾ版が。
緻密な音作りと美しいミキシング。「THE WORLD IS MINE」でのピコピコ打ち込み。「ワルツを踊れ」でのウィーンレコーディングやオケ参加。「THE PIER」で民族音楽との調合
と毎回アルバムが待ち遠しいくるり。
上京して来て「東京」聴いた時は感動しましたよ。
こういう人たちがアーティストと呼ばれるに相応しいと同じクリエイターとして心酔すらします。
そんなくるり岸田さんのハイレゾですよ。ハイレゾリューションですよ!良くない訳がない!
とハイレゾが何たるかもよく知らないのに一人で興奮して
このアルバムはハイレゾで買っちゃおう!ハイレゾデビューや!
CDなんかいらんかったんや!
などと意味の判らない事をわめきながら検索窓に更に打ち込みました。
「はいれぞ でびゅーするには」
・・・ふむふむ
・・・なるほど
・・・ぽたあんってなに?!
とさっそくハイレゾに対する造詣を深めるうちに、弾き出される脳内そろばんはとてつもない金額に膨れ上がっていきます。
「せっかくならデジタル接続のポタアン買っちゃおうぜ!」
(iPhoneにこんなでかいの付けて歩くのか・・・!?)
「となるとやっぱヘッドホン密閉型だよな!」
(ヘッドホンして街歩いてるやつあんなにバカにしてたじゃないか・・・!)
「iPhone標準音楽プレイヤーじゃ再生できないからアプリもダウンロードしなきゃ!」
(再生アプリだけで1,800円だと!? ウソだと言ってくれ・・・!)
所々で自分の中のブレーキ君が声を掛けてくれる。が、動画の中の青澤隆明さんも言う
余計な考えはぜんぶ遠ざけよう。
そして、まわりの世界が、おぼろげにぼやけるに
まかせたらいい。
おお、これが沼の入り口か。
まかせたらいい。なんと甘美な誘惑であろう。
ハイレゾ沼にズブズブと足を引きずり込まれながら視界がまわりからぼやけてくる。
発光しているはずのモニタ画面がいまや大きな暗い穴ぼこのようだ。
吸い込まれる先はAmazonのカート。
戻れないのか?あの頃(2時間前)の自分には。
残った力で後ろを振り返り、溺れかけで掴んだ藁。
この記事で目が覚めた。
僕はハイレゾを諦めた。
CD買います。
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- アーティスト: 指揮:広上淳一演奏:京都市交響楽団作曲:岸田繁(くるり),岸田繁(くるり),広上淳一,京都市交響楽団
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2017/05/24
- メディア: CD
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